待っていたよ―きみを。僕は微笑む。僕の心臓を剣で貫いた、対天使兵器の少女に。 それでも死なない僕に驚く、サクヤと名乗った彼女に。それから、用意していた台詞を囁く。「僕と恋愛をしよう。世界を救うために」ある日突然始まった、世界滅亡。“天使”と呼ばれる謎の存在が、人も街も壊してしまうのが、今の現実。 そして、世界滅亡をふせぐ方法はただひとつ。とある事情で不死身の僕、椎堂密が、相思相愛の相手に殺されることだけ。 僕は待っていた。僕は殺しに来るはずの、対天使兵器のことを。僕の“本当の望み”を叶えるためには、その力が必要不可欠。 だからサクヤに恋を囁く。『僕を殺したいだろ?』と繰り返す。彼女を縛りつけ…利用するために。 殺すために恋をして×死ぬために愛し合う―これはそんな風に、世界を救おうとする恋物語。
感想ちょっと個人的に気に入らない展開と、それに対する主人公の考え方も気に入らなかったが、そこを除けば概ね合格点をあげられる。やけに達観した主人公で、語り口調がカヲル君みたいだけど、この設定においてはこの方がいいと思うので不満はない。ストーリー展開は今のところなんとも言えないが、これからに期待が持てるのも確か。続きを読んでみようと思わせるのはとても重要なことで、そう思わせたら作者の勝ちだ。ヒロインであるサクヤのこれからにとても期待する。
僕は“世界”を滅ぼしている。僕のせいで天使が滅茶苦茶に壊す、僕の住む街。僕のせいで死んでいく人達。 椎堂密という存在は、罪悪でしかない。それでも僕は生きることを選ぶ。 騙して、偽って、何を犠牲にしてでも、“あの人”と再び巡り逢うと決めたから。なのにきみが、僕の中にノイズを起す。 契約で僕と恋をするサクヤ。僕の望みを叶える道具でしかない、対天使兵器の少女。 迷いのない彼女の瞳が、僕のココロに、不協和音をかき鳴らす…。でも。サクヤに世界は救えない。 ―僕を殺すのはキミじゃないから。壊れかけた世界の片隅で。 世界を滅ぼしながら死ねない僕と、僕を殺して世界を救いたいサクヤの恋は続く。 これは二律背反にして、唯一無二の、世界を揺るがす恋物語。
感想これはなんて言うかとてもジャンルわけが難しいんだが、雰囲気が凄くいいので、とても面白い作品に仕上がっている。今回は主人公の過去パートと現在が交互に展開するストーリーになっていて、謎めいていた主人公の過去の一端を見ることができる。そして主人公の妹も初登場ながら、強烈なインパクトを残していった。今回は微妙にエロい描写も含まれていて、ああ、やるなこの作者と素直に思った。
五年前、僕は死んだ。椎堂密が、オメガという存在に変質した―世界滅亡の始まりに。 普通に学校に通い、幼なじみに淡い恋をしていた、そんな部分は全部、死んでしまった。 オメガたる僕が抱くのは、僕を殺してくれる“あの人”への想いだけ。だから、自分に言い聞かせる。対天使兵器の少女・サクヤ。契約で僕と恋する彼女との日々は、紛いモノに過ぎない、と。本当の望みが叶うまでの偽りの代替品、気休めでしかない、と。 死ねない僕と、僕を殺して世界を救いたいサクヤは、今日も“恋”をする。 でも、それは―決して“幸せ”であるはずがない、世界を欺く恋物語。
感想うん、ラブコメはいいものだ。この作品は純粋なラブコメではないんだが、それでも面白いものは面白い。相変わらずサクヤはいいなぁ。ああいう何も知らない系は、見ているだけで微笑ましくなる。エピソードとしては、まあ平凡なんだけど、それを楽しめるのだからあら不思議。これはキャラクターが良いから楽しめるんだろうね。